災害が引き起こす心理変化やストレス
先日緊急開催された
「災害が引き起こす心理変化やストレスについて学ぼう」という講座に参加しました。
主催はJISP日本インターナショナル・サポート・プログラム
コーディネイターは西海石みかささん。
講師は臨床心理士の岡田太陽さん。
覚書を記しておきます。
【被災者の心理変化について】
茫然自失期 : 混乱し、現実を現実として受け入れず茫然とする時期
↓
ハネムーン期 : 被災者が災害後の生活に適応してように見える時期
積極的に立ち向かい、秩序正しく、助け合いの態度、行動が目立つ時期
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幻滅期 : マスメディアで災害が取り上げられなくなるなど、被災地外からの関心が薄れ
被災者が無気力、倦怠感に苛まれる時期
【コミュニティの心理的変化】
英雄期 : 自分や家族・近隣の人々の命と財産を守るため、危険をかえりみず勇気ある行動をとる
↓
ハネムーン期 : 劇的な災害体験を共有しくぐり抜けてきたことで、被災者同士が強い連帯感で結ばれる。
援助に希望を託しつつ、瓦礫や残骸を片付け、助け合う。
被災地全体があたたかいムードに包まれる。
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幻滅期 : 被災者の忍耐が限界に達し、援助の遅れや行政の失策への不満が噴出。
人々はやり場のない怒りにかられケンカ等のトラブルも起こりやすい。
飲酒問題も出現。
被災者は自分の生活の再建と個人的な問題の解決に追われるため、地域の連帯や共感が失われる。
↓
再建期 : 被災地に「日常」が戻り始め、被災者も生活の建て直しへの勇気を得る。
地域づくりに積極的に参加することで、自分への信頼が増してくる。
ただし復興から取り残されたり、精神的支えを失った人にはストレスの多い生活が続く。
以上のような真理的変化が起こることが多い。
そしてどの状態にあるかを見極めることが重要であり、
どの状態にあったとしても、
それは「異常な事態における『正常な反応』であり、誰にでも起こり得ることを伝える」ことが大切。
(ノーマライゼーション・・・心を非日常ではなく、なるべく日常に戻すこと)
「何が出来ないか」ではなく
リソース(出来る事、強み、機能している使える部分、上手くいっていること)に注目し、
人々が持っている「使えること」を組み合わせて行くことが大切。
その他関係の築き方、
認知行動療法を利用したクエスチョンや
セルフケアなども教えていただきました。
ところで、東日本大震災後もみかささんがコーディネイトされた
イスラエルの演劇的な手法を使ったサポート・プログラムに参加したことがありました。
自分に命名した人になってその想いを語るワークや
みんなで身体をつかって物語を紡いだり
白いマスクに絵を描いて対話したり・・・など。
そして今回もやはりイスラエルのストレス対処法をおまけで教えていただきました。
【危機に瀕した時のストレス対処法6チャンネル】
BASICPh
B・・・信念。強い気持ちで神に祈るなど
A・・・感情。感情をあらわにする or 感情を麻痺させる
S・・・社会。誰かと一緒に何かをする。SNS。ひきこもり
I・・・イマジネーション。クリエイティビティイマジネーション。ダンス。絵を描く。創作。ゲーム。
C・・・認知。情報収集。PDCA。整理。
Ph・・・身体。食べる。飲む。寝る。
でもすべてが肯定的でなくてもよく、
自分を守るために感情を麻痺させることであっても、それもまた対処と考える。
なので、社会のチャンネルでひきこもっていてもそれも対処と考える。
健康な人はたいてい2つくらいはチャンネルを持っているけれど
被災すると1チャンネルになってしまうので、なるべく沢山のチャンネルを使えるようにするのが有効。
そしてまた、自分はどのチャンネルに重きをおくといいのかも知っておく対処しやすいとのことでした。
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