分離感と孤独感。そして抱擁。

分離感とはー
本来私達はひとつであるのに、それをすっかり忘れ
切り離された存在であると思い込んでいること。
またはそこから派生して起きて来る感覚。

 

私は子供の頃から
ずっと底知れぬ孤独感を持っていた。

 

それは誰と一緒にいようと消し去ることは出来なくて、

小学1年の時に縄跳びをしながら
「人間って一人で生まれて一人で死んで行ってとても孤独だ」と
とてつもない孤独感に襲われたのを
今でもリアルに覚えている。

 

2003年に真理に出会い、すべてはひとつだと知ってもその孤独感は変わらず
しばらくの間は意味のわからない涙にくれていた。

 

それがある朝目覚めた瞬間、
「すべてがひとつであり、私はすべてから愛されている」というのを
突如、それこそ突然実感出来て、
その瞬間から孤独感が無くなってしまったのだった。

 

そして私は気づいた。

 

私が感じていたどうしようもない孤独感は
この世界で分離を学ぼうと個体として存在した時の
根源的な分離感、根源的な孤独感だったのだと。

 

 

ひとつであることを知っているゆえの根源的なかなしさ。

 

あれは今から何年前のことだったろう。

それから私は孤独を感じなくなった。
すべてはひとつで、切り離されていないということが
ありありとわかってしまったから。

 

 

でも、果たして、本当に孤独感と分離感は私の中から消えたのだろうか。

消えたと思っていただけなんだろうか。

 

すべてはひとつであるとわかって、腑に落ちていても
実際に私達はこうしてかたちを持ってわかれて学んでいることは事実。

 

かたちを失うことも怖いし、かなしい。

わかれていることでわかりあえないと苦しいし、かなしい。

自分を認めてもらえないとくやしいし。かなしい。

でも、だからこそかたちを愛しいと思うし、

手を伸ばして繋がりたいと思うし、交わり、響きあいたいと思う。

だからこそなんとかしてわかりあいたいと思うし、それが出来ると嬉しい。

 

 

それは分離があるからこそ得られる体験。

 

すべてがひとつである喜びはまるで
咲き誇る花畑を俯瞰して多様性を祝福し感動しているようなもの。

 

私はいつもそれを感じて感動していることが多い。

その喜びも美しさも無限に大きいけれど

実はひとつひとつの花の中で起きていることをちゃんと味わっていただろうか。
と、思う。

 

 

今朝やっと蕾が開き始めた朝露に濡れた花や

その葉っぱの下で呼吸する虫や

その虫に食べられて少し欠けてしまった葉っぱや

土の中で朽ちて行く落ちた実

そういったすべてのものに物語があり

それらひとつひとつのその時々の「かたち」もまた愛おしい。

 

 

しっかりと日々の中で見て行かないと
味わわないと気づかない
ちいさく愛しい営み。

 

 

かたちがあるからこそ
違いは明確となり、完全に重なり合うこともないけれど

だからこそ重なりをもとめるし
互いを必要とし
手を伸ばす。

 

 

分離が悪いのではなく
分離があるからこそ
豊かで味わいが深い。

無限の彩りと調べに満ちている。

 

 

大きなものの広がりはうっとりするけれど

それは概念と言う幻想にすりかえられやすい。

 

 

まるで映画「君の名は」の中で
風景や空気、意識と感覚があんなにリアルに感じて心震えるのに

人物があくまでアニメーションで、
人としての肌のぬくもりや質感までは感じられないみたいな

少しちぐはぐな違和感。
感じたいのに感じられないかなしさ。

 

 

ほんとうはもっともっと感じられるはずだし
もっともっと深くて豊かで愛しい。

 

へんてこりんだったり
不調和なことも全部含めて。

 

ざっくりした存在ではなく
細部にまで個性があらわれた
愛しい、どうしようもない愛すべき存在。

 

だからこそ優しくなれる。

 

 

かつて小学1年生当時の私は
まるっきり100%その人の気持ちと同じになってあげられない自分を責めて罪悪感を抱えていた。

潔癖なまでに同じでありたくて
偽善と同情が許せず、「曖昧な優しさ」を全部拒否した。

 

 

でも、今の私は優しくありたいと、思う。
全部を愛しさに変えて。

 

かつての自分も抱きしめて。

 

 

ざっくりしてても優しくなれるけど
詳細までわかったうえで
ごだごだもぜーんぶ受け入れて
その上での抱擁。

 

 

あらゆる次元で
あらゆるレベルで
抱きしめよう。

世界を。

 

 

あらゆる愛しさで

世界を抱擁する。

 

 

そっか、私は抱擁を、したかったんだ。

 

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